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やっちゃった感が溢れる妄想館
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彼女が彼女である限りは有り得ず、また、彼女が彼女であるが故に有り得た、一つの幸せの形。
揺り椅子に座った女が膨らんだ腹を撫でる。
白い手は愛おしげに優しく、薄い皮の向こう側の存在を慈しむ。
「あっ、今動いたぞ」
「ホントか!?」
後ろで女を抱え込むように腕を回していた男が、女の言葉に慌てて腹を覗きこむ。
その顔はひどく嬉しそうに緩んでいた。
武骨な手が細い手の上に重なる。
「男と女、どっちだろうな」
男は女の手越しに腹を撫でながら呟いた。
待ち遠しいという感情が瞳からにじみ出ている。
「どっちでもいいが、私はお前に似るといいな」
男でも女でも美人が生まれそうだと、女は笑った。
男も釣られる様にして笑いながら、女の長い髪に口づける。
「あんたに似ても美人だろうさ」
幸せそうな二人の男女の顔は、とてもよく似ていた。

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